キッチンや浴室、洗面所などの水廻りは、設備機器や内装の古さの不満だけでなく、狭くて使いにくいという不満も多い場所です。増築でスペースを広げて最新の機器を取り入れると、より快適な水廻り空間になるでしょう。
増改築の基礎知識&ポイント
一戸建てを増改築する場合に気を付けなくてはならないポイントを簡単にご紹介します。
Point 1. 増改築の定義
増築とは…
既存の建築物の延べ面積を増加(建て増し)すること。
改築とは…
建築物の全部または一部を除去し、引き続いて、これと同様の用途、規模及び構造のものに建て替えること。
Point 2. 建築基準法による制限
1.建ぺい率と容積率
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの水平投影面積で、2階建ての一般的な形状の一戸建て住宅であれば1階か2階の大きい方の床面積)の割合で、容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。地域によって異なりますが、この建ぺい率と容積率は上限が定められていて、すでに今の建物が上限いっぱいだと増築できない場合があります。
2.その他建築制限
建築できる建物の大きさや高さを制限する規定は、建ぺい率と容積率だけではありません。道路斜線、隣地斜線、北側斜線などの「斜線制限」や日照を保護するための「日影規制」、低層住宅における「絶対高さの制限」などの規制があり、屋根の形状や庇の形を変える場合などは、気を付ける必要があります。
3.確認申請
防火地域及び準防火地域外で、床面積が10㎡を超える増改築の場合や、防火地域・準防火地域に指定された地域でのすべての増改築について、「役所への届出(確認申請)」が必要です。
Point3.家屋の構造による制限
一般的な木造在来工法の場合は、比較的自由な増改築が可能です。ただし、耐力壁と呼ばれる「筋交い」の入った壁や、2階との通し柱は取りはずすことはができません。2×4工法の場合は、壁で構造体を作っているので壁が撤去しにくく、在来工法よりプランの制限が多くなる傾向があります。鉄筋コンクリート・鉄骨造の場合は、木材の間仕切り壁は撤去できますが、コンクリートの壁(耐力壁)は撤去できません。また、給排水管がコンクリートやスラブを貫通している場合の水廻りの移動などには注意が必要です。
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